チャンピックスの重大な副作用

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意識を失うことがあるので、自動車の運転をする方には、チャンピックスを処方できなくなりました。

この7月に「使用上の注意改訂」が行われ、「めまい、傾眠、意識障害等があらわれ、自動車事故に至った例も報告されているので、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。」(下線は改訂箇所)となりました。
ちなみに、改訂前の最後の部分は「自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。」でした。
チャンピックスを飲んあと「注意すれば運転してもいいですよ」から、「運転してはいけません」に変わったと解釈しています。

医療機関向けに通知された書類には、この改訂のきっかけになったと思われる「症例概要」が記載されています。
60代男性、COPD(慢性閉塞性肺疾患)で、もともとスピリーバという薬を吸入していたようです。チャンピックスを始めて8日目(つまり薬の量をスケジュールどおり倍に増やした日に)、朝薬を飲んで20分後、車の運転中によだれ、全身の震え、意識消失を起こしたとのこと。気がついたときには道路の側溝に突っ込んだ状態だったそう。

これだけだと、本当にチャンピックスのせい?と疑問に思うところですが、まだ続きがあります。

同じ日の夕食後、またチャンピックスを飲んで20分後、また運転中(朝に事故寸前までいっているのに悪い意味で勇気がありすぎですが・・・)によだれ、全身の震え、意識消失とまったく同じことが起こり、電柱に衝突しそうになった(直前で意識が戻った?)そうです。さすがにそれ以降はチャンピックスを飲むことはなく、意識を失うこともなくなったとのこと。

これは「再現性あり」の副作用ですので、チャンピックスはほぼ「クロ」と言ってよいと思います。薬をのんで一定時間過ぎて大丈夫なら、運転してもいいのか?この問題には今答えがありません。もちろん、意識消失なんてめったに起こるものではないでしょうが、誰に出るかが事前にわからない以上、車の運転をする方に処方するのは危険すぎます。

幸い大事故にはならなかったものの、一歩間違えればご本人の命の危険がありましたし、車の運転中であれば周囲の人の命にもかかわる可能性があったわけです。タバコをやめようと思って人身事故、では悔やんでも悔やみきれない結果になるところでした。

当院でもチャンピックスで禁煙できた方はたくさんいらっしゃいますので、効果は実感しています。しかし、このような報告があった以上、今後の処方には慎重にならざるを得ません。車の運転をする方には、貼り薬のニコチネルをお勧めすることになりそうです。


写真の文章はここで読めます↓
チャンピックスを服用される方へ」(製薬会社が作った患者さん向け文書)

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