夢の人


画像

先日、友人の結婚パーティーに出席しました。

大学病院の血液病棟で一緒に働いた同期のNがようやく結婚することになり、お祝いにたくさんの人が集まりました。新郎側の友人として、医者やナースが多いのは当然ですが、びっくりしたのは元患者さんとそのご家族が結構来てくれていたことです。

日本医大の血液グループではじめての同種末梢血幹細胞移植を受けたSさんとその奥さん、リンパ腫で自家移植のあと再発し、臍帯血移植を受けて元気になったYさん、再生不良性貧血でお兄さんから骨髄移植を受け、今はうちの近所でナースをしているKさん、元患者さんがこんなに集まってくれるなんて、新郎Nは人望のあるヤツだな、と改めて思ったりしました。

その中でも最も驚き、また嬉しかったのは、僕が大学を辞めるときに主治医をさせていただいて、その後Nが主治医を引き継いだ患者さんのご家族(奥さんと娘さん)にお会いできたことです。その患者さんは僕が担当になる前に移植を受け、その後の合併症のため長期入院中に白血病が再発し、残念ながら最終的には亡くなられました。本当に強い方でした。主治医の期間が最も長かったのは僕(一年以上!)で、最後まで担当できなかったのは本当に残念でした。大学病院を辞めてもう6年以上経ちますが、じつは未だにその方の夢を見るのです。奥さんに久々にお会いして、思わずその話をしてしまいました。奥さんは「家が近かったら先生のところに通いたいですよ」と言ってくださいました。ありがとうございます。

治療がうまくいって、元気になった方がお祝いに来てくれるのももちろん嬉しいのですが、長い治療の末に亡くなられた方のご家族が、わざわざ元主治医の結婚パーティーに出席していただけるなんて、本当に感激でした。ま、今回結婚したのは僕じゃないですけど(笑)

この記事へのコメント

2009年06月23日 15:30
とても温かいお話ですね。読ませて頂いて私もなんだか嬉しくなりました。

少し話がそれますが、先日、知人が『担当していた子が施設で急死…』という事でかなり落ち込み、お通夜に出向いておりました。
私は実のところ、それは医師としては感情移入し過ぎだと思い、次回会う機会には話そうと思っていました。ですが、中村先生のブログを拝見しまして、言わずにおこう、自分が違っていたと内省しました。

本日只今、久しぶりにブログサーフをしていて偶然の拝見でした。
ではごめんくださいませ。
2009年06月25日 00:22
コメントありがとうございます。
たぶん、血液病棟というのはある意味で特殊な環境なのだと思います。とくに移植ともなると、ほとんどの患者さんが長期入院ですから、患者さん本人はもちろん、家族の方とも濃密な関係になってしまうようことが多い気がしますね。一般的には「感情移入しすぎ」な状況が当たり前でした。それをずっと続けるのは、精神的にも肉体的にも困難ですが…

この記事へのトラックバック