善きサマリア人の法

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前回の続きです。

前の記事を書くときに少し気になって調べたら、ウィキペディア「善きサマリア人の法」の項に当たりました。

少し長いですが引用します。

「医師の意識との関係

例えば、日本国内の医師に対して行われたあるアンケート調査[1]によると、「航空機の中で『お客様の中でお医者様はいらっしゃいませんか』というアナウンスを聞いたときに手を挙げるか?」という質問に対して、回答した医師全員が上記の緊急事務管理の規定と概念を知っていたにも関わらず、「手を挙げる」と答えたのは4割程度に留まり、過半数が「善きサマリア人の法」を新規立法することが必要だと答えたという。

これは国外の航空会社がいわゆるドクターコール時に応じた場合、傷病者が亡くなっても航空会社がその行為を保障すると述べていたのに対し、国内の航空会社では「医師や看護師など名乗り出た者の責任」としていたため、法的責任を問われるリスクから消極的な回答が多いと考えられる。また国際線でも、米国以外では医師の法的責任に関する問題には明確な法律あるいは法律家の間で統一された見解はなく、どの国の法律を適用するのかについてすらはっきりしていない。実際に、上記アンケートでは2/3以上の医師がドクターコールに応じないと思う理由として「法律」を挙げたという。

より最近のアンケート調査[3]では、89%もの医師が医療過誤責任問題を重要視し、ドクターコールに応じたことのある医師の4人に1人が「次の機会には応じない」と答えている。「適切な処置を怠った、救命できた高度の蓋然性がある、応召義務があると解釈できる。あっという間に犯罪者だ」「日本の司法の現状からすると、下手をすると業務上過失致死に問われそう」「今の世の中とマスコミの報道の状況では、絶対に応じない」といった声があり、近年の司法・医療報道のあり方が傷病者の救護を阻害している現状もあることが分かる。」

引用おわり。

全体に気が滅入る内容ですね。特に気になるのがこの部分。
>傷病者が亡くなっても(中略)国内の航空会社では「医師や看護師など名乗り出た者の責任」としていた
これ、本当なんですかね。本当なんでしょうね。これはキツイです。これ知ってたら国内線で手を挙げないという気持ちも分かるな・・・昨今の、(特にマスコミによる)「結果が悪ければ医療行為を犯罪としてとらえる傾向」には多くの医者が危機感を抱いています。どんなに上手く処置ができても救命できないことがある、というのは医者なら誰でも知っていますが、どうも一般常識とは言えないようです。「善きサマリア人の法」は、日本にこそ必要なのではないでしょうか。


また別の引用。井蛙内科開業医/診療録から。この記事には興味深いリンク・引用多数。

「98年度の日本航空の1日あたりの運航実績は,国際線243便,国内線129便,
合わせて376便.1年間で137240便.それに対してドクターコールは
年平均107件.つまり1回の搭乗でドクターコールに当たる確率は,
107/1371240 × 100 = 0.078%,
言い換えると1283フライトに1回という低確率になります.」

引用おわり。

1283分の1ですか。僕の残りの人生で、飛行機に乗る機会は多く見積もっても100回以下でしょうから、もう一度コールに当たる確立は相当低いでしょうね。

前回書き忘れたことをひとつ。僕とスペイン人女性医師が対処している間に、ふたりの日本人ナースが名乗り出てくれました。スペースがとてもせまかったので、お礼を言って席にもどっていただきましたが、心強かったです。

この記事へのコメント

esnoopy
2008年05月11日 23:15
コメント有難うございました。
またブログも紹介していただいて感謝しています。
これから時々遊びに来ます。
2008年05月11日 23:31
こちらこそ、引用させていただき、ありがとうございました。また覗かせていただきます。

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