認知症研修会

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先週の日曜、「かかりつけ医認知症対応力向上研修会」に参加してきました。

ほぼまる一日(9:30~16:30)、認知症の勉強をしました。今まで認知症の患者さんと接してはきましたが、まとまった研修というのは初めてだったのでとてもためになりました。

認知症の初期の段階では、近くにいる人にしか分からないことが多いようです。たまにしか会わない人の前ではしっかりしているのに、家の中では意味不明の言動が多くなっているということはよくあることです。一番近くにいる介護者が苦労しているのに、周りの親戚などから理解されず、それだけならまだしも「あなたのほうがおかしいのでは?」と責められたりといった事態が起こってしまうわけです。月に一度、診察室で数分会うだけの医者は、初期の認知症に気付くことは難しいといいうことになります。

それとは逆のパターンで苦い思い出があります。うちに通院されている方で明らかに言動異常があり、認知症と思われた一人暮らしの患者さんのことです。このままではまずいと思い、なんとかご家族(娘さん)と電話で話をしたのですが、説明している途中で「うちの母は認知症なんてありません!」と一方的に話を遮られてしまいました。おそらくたまにしか会わない娘さんの前ではしっかりされていたのではないかと想像します。反省点としては、やはり電話でなく直接会ってお話すればよかったかな、と思います。

今後、認知症について医者が勉強するのはもちろん、一般にも理解を広めていくことが重要でしょう。かつて認知症は、早く見つけても治療法がないので診断してもしかたない、と思われていました。現在、認知症の進行を緩やかにする薬(残念ながら治す薬はないのですが)「アリセプト」が唯一の治療薬として使われています。必ずしも満足のいく効果ではないかもしれませんが、今後数年のうちに新たな薬が出てくるようですので、それまでなんとか進行を遅らせることができれば可能性は広がるでしょう。

現時点で認知症に対しては、医療よりも介護の役割が大きいと思われます。
多摩市では、最初に異常に気付いたご家族が相談できる窓口として、市内に6ヶ所の地域包括支援センターがあります(もちろん当院に相談していただいてもOKです)。

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